
牛肩肉ってどんなお肉なんだろう?
焼肉屋とかステーキ屋で全然聞いたことないんだけど、食べられる部位なの?
牛肉の肩肉を食べたことはありますか?
「肩肉」という名前で提供している飲食店はあまり見かけないかもしれません。
でも「肩肉」という名前で出していないだけで、肩肉からとれる「4つの部位」のどれかを食べたことのある人は結構多いかもしれません。
その名前を聞いて「あれ、肩肉だったの??」という人もいるかも。
この記事では
について解説していきます。
あまり意識して食べない肩肉ですが、焼き肉・ステーキ・すき焼きとさまざまな肉料理におすすめな部位です!
この記事を読んで牛肉を食べる時の参考にしてください。
肩肉(ウデ肉)とは?

肩肉は前脚の上部にあたる部分で、人間でいう二の腕や肩甲骨の辺りのお肉です。ウデ肉ともいわれます。
非常によく動かす部位なので、肉のキメは粗く全体のほとんどが赤身で肉の濃い旨味を感じられるのが特徴です。
また、赤身部位なので脂は少ないですが、筋や筋膜が多いぶんコラーゲンが豊富で長時間加熱するとゼラチン化して濃厚な味わいになります。
肩肉全体の特徴はこんな感じですが、じつは運動に使われる様々な筋肉が集合しているので場所によって少しずつ特徴が違ってきます。
次は、肩肉からとれる3部位のそれぞれの特徴について解説します。
肩肉の3部位「ミスジ」「トウガラシ」「クリ」
肩肉からとれる代表的な部位は3つあります。
焼肉やステーキが好きな人なら、聞いたことがある名前が1つはあるんじゃないでしょうか。これらは全部「肩肉」の一部なんです!
でもどれがどんなお肉か意識して注文したことはありますか?
元精肉部門のやまみが、それぞれの牛肉の特徴を解説していきます!
飲食店で注文するときや、お肉を買う時の参考にしてくださいね。
ミスジ

ミスジは肩甲骨の裏側にあるお肉で、和牛1頭から3kg程度しか取れない希少部位です。輸入牛に至ってはもっと少ないです。
呼び名の由来は、肉中に大きな3本の筋がある事から「三筋(みすじ)」とよばれるようになったと言われています。
また、肉の形が羽子板に似ていることから「ハゴイタ」と呼ばれることもあるそうです。わたしは聞いたことありませんが・・・。
輸入品は、ミスジとクリがくっついた「クロッド」という名前で流通。
その断面は楕円形で、筋がはっきりみえることもありぱっと見は木の葉によく似ています。
ミスジは肩甲骨の裏側にある筋肉ですが、じつはほとんど動かしません。なので、肩肉の中でも柔らかい肉質となっています。
加えてミスジはサシも入りやすいので、肩肉の赤身の濃い旨味を味わえるよい特徴を残しながら脂の甘みも楽しめるなんとも贅沢な部位です。
トウガラシ(トンビ)

トウガラシは、肩甲骨周りにあるお肉で脂肪がほとんどない赤身の部分です。
和牛1頭から1~2kgしかとれない希少な部位で、値段はお高め。
名前の由来は、形が唐辛子に似ているからという非常にシンプルなもの。関西の方では、トンビとも呼ばれるようです。
輸入品は「チャックテンダー」という名前で流通しています。
「チャックテンダー」を和訳すると「柔らかい肩の肉」という意味ですが、実際の肉質は柔らかくはないです。
ただ、肉の形が「テンダーロイン(ヒレ肉)」に似ているから、その名前がついたと言われています。
紛らわしいですね・・・。
先ほども説明したように、トウガラシの肉質は柔らかいとは言えませんが、適度な弾力を感じられます。
加えて和牛ではサシが入りやすく、噛めば噛むほど肉汁を感じられ肉の旨味を存分に味わえます。
輸入牛の場合は、ほとんどがきれいな赤身なのでカロリーが低く高たんぱくなお肉となっています。牛肉を食べたいけどカロリーを気にしている人にはおすすめです。
クリ(肩三角)

クリは肩肉の中でもとくに大きな赤身部位です。
呼び名の由来は、肉の形が栗に似ていることから「クリ」「クリミ」と呼ばれるようになったと言われています。また、形がほぼ三角なので「肩三角」という名前でも流通しています。
輸入品は、ミスジとくっついた「クロッド」という形で流通。
その肉質は、キメが粗く柔らかくはありません。ですが、旨味が強いので牛肉の濃い味を感じたいときにおすすめの部位です。
ニノウデ
ニノウデは、クリ(肩三角)にくっついている筋の多いお肉です。
正直、このお肉は焼肉やステーキで食べられるような部位ではありません。
ニノウデは小さいですが、多くの筋が通っているので焼いて食べるなら薄くスライスしないとかなり硬いです。
ですが、煮込みにするときは角切り状態がおすすめです!
長時間煮込むことで、筋などに含まれるコラーゲンがゼラチン質に変化して濃厚な味わいのお肉に変化します。
手に入れたい!と思った時の難点は、他の部位と比べてもニノウデ単体で売っているときが少ないことです。わたしは見たことないです・・・。
なぜなら、筋が多く硬いニノウデは「切り落とし」や「小間切れ」として使われてしまうことがほとんどだから。
どうしても食べたい場合は、精肉店などでお願いするのが確実な方法です。
肩肉のおすすめ料理

本当であれば、ミスジやクリなど部位別で使用できれば1番です。
しかし、スーパーなどで肩肉を買う場合は細かな部位を表記していない場合もあります。
そんなとき!
肩肉に向いている料理が2つあります!!
この2つの料理は、牛の肩肉の特徴を活かして味わうことができます。
肩肉の角切りが売っていたら、赤ワイン煮込みやビーフシチューなど時間をかけてコトコト煮る料理がおすすめです。
肩肉に豊富に含まれているコラーゲンが溶け出し、トロトロ濃厚な肉を楽しめます!
肩肉の薄切りが売っていたら、すき焼きが1番です。
肩肉は旨味が非常に濃い部位なので、肉の味がすき焼きの割り下に負けません!
ぜひ、試してみてください。
まとめ:肩肉は赤身の濃い旨味が楽しめる
牛の肩肉について、その特徴やさらに細かい部位の解説などをしてきました。
ミスジやトウガラシ・クリ・ニノウデは、肩肉の一部であることをこの記事で初めて知った人はかなり多いんじゃないでしょうか。
また、同じ肩肉なのに細分化した部位によって全く違う特徴を持っていることに驚いた人もいると思います。わたしも昔同じように驚きました!
牛肉にはまだまだたくさんの部位があります。
今後も部位について解説していきますので、牛肉について詳しくなりたい人はこれからの記事もお楽しみに!!