
牛のもも肉って、牛肉の中では結構安いけど実際肉質ってどうなの?
安くてもおいしくないなら買いたくないなあ。
皆さんは、牛のもも肉にどんなイメージを持っていますか?
こんなイメージを持たれてる人は多いと思います。
ですが、そのイメージだけで牛のもも肉を買うことを避けていませんか?
じつは、もも肉は場所によって肉質や脂肪の量が全っっっ然ちがうんです!
やわらかな部分からサシの入りやすい部分、赤身の部分までさまざまな特徴をもっている部位なので、知らないのはもったいない!
この記事では
について解説していきます。
焼肉やステーキでよく食べていたあの部位が、実はもも肉だったなんてこともあるかも・・・。
そのくらい牛もも肉はいろいろな部位から構成されています。
ぜひ、これからお肉を選ぶ時の参考にしてくださいね!
牛もも肉とは

牛もも肉は、その名のとおり牛の”もも”にあたる部分です。だいたい、腰の下からスネの上までをもも肉として扱います。
牛1頭からとれる肉量はかなり多く、和牛の場合「30~40kg」ほど取ることができます。お米10kgでもあんなに重いのに、その3~4倍と考えるとかなりの量だとわかってもらえるんじゃないかと思います。
もも肉は全体的によく動かす部位なので、脂肪が少なくほとんどが赤身でキメが粗い部分が多いです。
脂肪がほとんどない場所も少なくないので、固さや風味の薄さを感じる部分も多いです。
とはいえマイナスな部分ばかりではありません!!
もも肉はさまざまな筋肉から構成された大きな部位なので、場所によって肉質がかなり違います。
ここからは、牛もも肉を構成する部位ごとにその特徴を見ていきます!
牛もも肉を構成する部位
もも肉を構成する部位は大きく分けて次の3つです。
聞いたことある人も多いかもしれませんね。
あるいは、お肉のことをよく知っている人なら
🤨「いやいや、もも肉はもっといろんな部位あるから。」
と思っているかもません。
実はここから細分化したものが、焼肉やステーキでよく聞く部位として提供されていることが多いです。
せっかくなので各部位の特徴を紹介しつつ、そこから細分化してとれる部位についても紹介したいと思います。
そともも

そとももは、ももの外側で一番運動をする筋肉が集まっている場所です。
輸入品は、「シルバーサイド」や「ボトムラウンド」「アウトサイド」という名前で流通しています。
肉質が全体的に固く、脂肪はほとんどありません。また、キメが粗く肉色が濃いのが特徴です。
腰に近い部分はやや柔らかく感じる部分もありますが、スネに近くなるほど固くキメも粗くなっていきます。
脂肪が少なく固い「そともも」は、薄くスライスしてすき焼きやしゃぶしゃぶにしたり、特に固いところは小間切れ肉にしたりすることが多いです。
また、角切りにして煮込み料理にするのにも向いています。
海外では、塩漬けにしてコンビーフを作るのに使用されることも多いようです。
「そともも」からとれる部位
「そともも」からとれる部位は
の3つです。
いずれもキメが粗く固めなので、しゃぶしゃぶ・すき焼き・煮込み料理などが向いています。
らんいち

らんいちは、サーロインと隣り合っている部位で腰の下あたりにあるお肉です。
輸入品は、「D-ランプ」や「トップサーロインバット」という名前で流通しています。
この部位は、もも肉の中でも柔らかく風味や味の良い部分なんです!固い部分が多いもも肉の中からとれる「やわらかな赤身肉」としては貴重な部位です。
味が良いだけでなく適度なサシが入っているのでくど過ぎません。
🤤脂は苦手だけどお肉をたくさん食べたい!
という人におすすめな部位です。
やわらかく味が良い「らんいち」は、厚めに切ってステーキで食べるのに向いています。
ステーキ以外にも、焼肉・ロースト・しゃぶしゃぶ・すき焼きなどほとんどの牛肉料理に使用することができる優秀なお肉です。
「らんいち」からとれる部位
「らんいち」からとれる部位は
なんですが、さらに「ランプ」を分割して
をとることができます。
ここまでくると、聞いたことのある有名な部位も多いかと思います。
「いちぼ」や「ランプ」は、お肉が好きな人なら1度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
こういった有名な部位も、じつはもも肉の一部なんです。
うちもも

うちももは、ももの内側にある大きなかたまりの赤身部位で牛肉の中でも最も脂肪の少ないお肉です。
輸入品は、「インサイド」「トップサイド」「トップラウンド」という名前で流通しています。
脂肪が最も少ない「うちもも」は、キメが粗いので肉がやや固く大味で風味も乏しい部位です。
デメリットばかり紹介しましたが、もちろんメリットもあります!
「うちもも」は、全体的に均一な肉質なので大きな塊肉として扱いやすいというメリットがあります。
そのためローストビーフやたたき用のブロック肉をとるうえでは、端材などのもったいない部分が出ません。
また、脂肪が少ないので消化が良くあっさりしているというメリットもあります。
ブロック肉で扱いやすい「うちもも」は、やはりローストビーフに向いています。
扱いやすいお肉なのでローストビーフ以外にも、焼肉・煮込み料理・すきやき・しゃぶしゃぶなど、あらゆる牛肉料理に使用されています。
赤身文化の強い海外では「ラウンドステーキ」として提供されるようですが、やわらかい肉が好きな日本人向きではないですね。
「うちもも」からとれる部位
「うちもも」からとれる部位は
の3つです。
うちももは、大きな肉塊の「おおもも」と小さな「こもも」がくっつき、それを覆うように「かぶり」がついています。
ほとんどの場合は「かぶり」を外して、「おおもも」や「こもも」からブロック肉や焼肉用の肉を切り出します。ちなみに外した「かぶり」は、肉質が固いので小間切れや角切りに使用されることが多いです。
薄くスライスする場合に限っては「かぶり」を外さないで、そのままスライスすることが多いです。
しんたま

しんたまは、うちももの外側にあって“そともも”と”らんいち”に挟まれている場所にあるお肉です。
輸入品は、「シックフランク」「ナックル」などといった名前で流通しています。
この部位はもも肉の中でも少し小さい部位ですが、”うちもも”や”そともも”と比べてやわらかいお肉です。ほとんどが赤身ですが、肉のキメが細かくやわらかで癖が少ないのであっさりとした味わいです。
この「しんたま」、じつは希少部位の集合体のようなお肉でして焼肉好きにはたまらない部位となっております。「しんたま」からとれる希少部位については後ほど解説しますね。
「しんたま」はそのまま使われることはほとんどなく、細分化してとれる部位ごとに使われることが多いです。部位ごとに特徴はありますが、ステーキ・焼肉・ローストビーフなどに向いています。
分割せず丸ごと使う時は、薄切りにスライスしてすき焼きやしゃぶしゃぶ用のお肉になることが多いです。
「しんたま」からとれる部位
「しんたま」からとれる部位は
の4つです。
かなり有名部位がそろっていますよね!!
食べたことはあるけど、もも肉だとは知らなかったという人も多いんじゃないでしょうか。
「しんしん」は、「しんたま」の中心部分にあるお肉です。幅広の筋が1本通っていますが、筋を除けはその肉質は赤身ながらもヒレに次ぐ柔らかさと言われています。
「友三角」は「しんたま」を包むようについているお肉で、その形は本当に三角形をしています。基本的に赤身ばかりのもも肉の中で、「友三角」は非常にサシが入りやすい部位です。ものによっては真っ白になるくらいサシが入ることも。
「まるかわ」も「友三角」のように、「しんたま」の外側についているお肉です。ですが「友三角」と違いサシが入りずらく、脂肪がない赤身肉で筋も結構多い部分です。
「かめのこ」は「しんしん」にくっついてるお肉で、形が亀の甲羅に似てるので「亀の甲(かめのこ)」と呼ばれています。サシは少ないですが赤身の旨味が味わえて、水分が多いので肉汁を感じることができる部位です。
もっと細かく解説したいのですが、おおまかにこんな感じです。
機会があればまた別記事にまとめたいと思います!
牛もも肉のおすすめ料理
牛もも肉は、基本的にやや固い赤身肉なので薄切りや小間切れにスライスしたものを使用する料理か、煮込んで柔らかくする料理がおすすめです。
こういった料理に向いています。
ただここまで解説した通り、もも肉はかなり多様な特徴を持ったお肉なので、可能であれば部位ごとに使い分けするのがおすすめです。
「そともも」を使うのであれば
「らんいち」を使うのであれば
「うちもも」を使うのであれば
「しんたま」を使うのであれば
といったように使い分けることで、牛もも肉の旨味をしっかり味わうことができます。
まとめ:牛もも肉はさまざまな顔を持つ部位
今回は牛のもも肉について、特徴や細分化してとれる部位などについて解説してきました。
いつもより長くなってしまって申し訳ないです。
ただ、それだけもも肉というのは奥が深い部位なのです。
わりと有名な「ランプ」や「友三角」なんかも、もも肉の一部であると知っていた人は少なかったんじゃないでしょうか。
また、あまり知られていない「しきんぼう」や「まるかわ」なども、これから焼肉屋さんやお肉屋さんなんかに行った時には注目してみてください!
「もも肉は安いからおいしくないだろう」と食わず嫌いしていた人がいたら、ぜひもも肉のいろんな部位を食べてみてください。きっと好きな部位が見つかりますよ!