
馬肉って聞いたことはあるけど、食べたことないかも。
どんな特徴があるお肉なんだろう?
馬って牛と似てるから、部位も牛と一緒なのかな?
みなさんは「さくら肉」というお肉を食べたことがありますか?
「さくら肉」とは「馬肉」のことで、熊本県や長野県・山梨県などでは伝統的に食されています。
それゆえに、全国的にみてみると馬肉を食べたことがある人は結構少ないです。
しかし!!
今や通販などで珍しいものもお取り寄せできるこの時代に、馬肉を食べたことがないのはもったいないです!!
馬肉には他のお肉にはない「いいところ」が、たくさんあるんです!
この記事では
これらについて解説していきます。
なかなか注目されることのない馬肉ですが、じつは非常においしいうえに超ヘルシーなお肉です!
😅「気にはなるけど、よく知らないし手を出すのは怖い…」
と思っていた人も、この機会に新たなお肉の世界に一歩踏み出してみてください!
馬肉とは

馬肉とは、文字通り「馬の肉」です。別名「さくら肉」や「蹴飛ばし(けとばし)」と呼ばれることもあります。
なぜ「さくら肉」と呼ばれるようになったのかについては諸説ありますが、馬肉の色が非常に鮮やかな赤色をしているからという説が有名です。
その肉質は、全体的に牛肉と比べてキメが粗くやや固いといわれています。
ただ、部位によってかなり差があって、よく馬刺しに使われる「ロース」「ヒレ」「もも」はやわらかく締り(しまり)があります。
味はしつこくなく淡白ですが、独特の甘みとかみしめるほど旨味を感じるお肉です。
馬肉として出荷される馬の品種に定義はありませんが、体格の大きな品種から「重種」「中間種」「軽種」と区別されています。
育て方や環境によっても左右しますが、「重種」のほうが肉付きがよくサシが入りやすい傾向があり、「軽種」のほうはスリムでサシは少ない傾向があります。
この差を活かして、エサや育て方にこだわってサシのおいしさを追求する馬肉は「重種」から、赤身の旨みを追求した馬肉は「軽種」から生産するところもあるようです。
ただ、そもそも馬というのは牛や豚と違ってお肉をとるために品種改良されていません。
そのため、食用として飼育した場合に牛や豚とくらべて生産コストが高くなってしまいます。
馬肉が簡単に手に入らない背景には、そういう事情もあるようです。
馬肉の特徴
馬肉の特徴は大きく4つあります。
まず、馬肉は牛肉と同じくらいタンパク質が豊富に含まれています。
これだけ聞くと「じゃあ、牛肉でいいじゃん。」と思ってしまうかもしれませんが、ここからが大切です。
牛肉や豚肉と比べて、馬肉は脂質が少なくとても低カロリーです。
部位にもよりますが、だいたい牛肉や豚肉の半分~それ以下のカロリーと言われています。
※参考:「馬肉の主な栄養成分」と牛肉・鶏肉の参考例
そのため、タンパク質を摂取するのに牛肉を食べるより、同じ量の馬肉を食べたほうがカロリーを半分に抑えることができるのです。
ダイエット中に食べるお肉にはもってこいですね!
つぎに、馬肉にはグリコーゲンが豊富に含まれていることも特徴的です。
グリコーゲンは「多糖類」と呼ばれる糖質なのですが、これが馬肉独特の味わいを生んでいると考えられています。
グリコーゲン自体に味があるわけではないのですが、グリコーゲンがほかのうまみ成分を引き立てる役割になっているそうです。
ちなみに、グリコーゲンは疲労回復に効果がある成分なのでそれもうれしいポイントです。
そして、馬肉は健康食品として注目されるくらい体に良い栄養が豊富に含まれています。
特に「α-リノレン酸」や「カルシウム」「ヘム鉄」が多く含まれていて、これが健康食品として注目される理由となっています。
馬肉の栄養については、このページの別の章(馬肉のヘルシーパワー)で解説しています。
これだけの特徴をもっている馬肉ですが、それらを差し置いても注目してほしいのは「生肉で食べられる」というところです。
みなさん、馬肉として想像する料理と言えばなんでしょうか?
多くの人は「馬刺し」と答えるんじゃないかと思います。
そうなんです、馬肉は生で食べられる数少ないお肉なんです!!
ところで、どうして馬肉は生で食べてもいいのか知っていますか?
ここからは、馬肉を生で食べてもいい理由について解説していきます。
馬肉はなぜ生で食べていいのか

馬肉を生で食べてもいい理由は3つあります。
まず「体温が高いことがなぜ生食できることにつながるのか」疑問に思う人も多いでしょう。
牛や豚を生食できない理由の一つに、寄生虫や病原体がお肉の中で繁殖しているということがあります。
ところが馬の場合、牛や豚よりも体温が5~6℃高いことで寄生虫や病原体が繁殖しにくい状態になっているのです。
それに加えて馬は、遺伝子の違いからほかの家畜動物と比べて感染するウイルスが少ないのです。
例として、牛の感染症として知られている「口蹄疫(こうていえき)」という病気があります。
「口蹄疫」はウイルスの感染によって発症するのですが、偶蹄類という”ひづめ”が2つに割れた動物(牛・豚など)にのみに感染します。
馬は”ひづめ”が割れない奇蹄類なので、口蹄疫に感染する危険性は低いとされているのです。
また、馬が反芻(はんすう)動物でないことも重要です。
牛は胃に一度入ったものを再び口に戻して噛み砕く「反芻(はんすう)」と呼ばれる行動をします。
「反芻」を行う牛などの動物の多くは、O-157をはじめとした腸管出血性大腸菌を持っている可能性が非常に高いです。
そのため牛の生食は腸管出血性大腸菌を摂取してしまうリスクが高いのですが、反芻を行わない馬はそのリスクが非常に低いのです。
以上のような理由があるので、馬は生食をしてもいいとされているのです。
ただし!
正しく衛生的な環境で処理されていなければ、馬肉であっても生食するのは非常にキケンです!!
生食する場合は、「馬刺し用」としてちゃんと加工されているものを選びましょう。

馬肉の栄養

最近、馬肉は健康に良い食品としても注目されています。
その理由は、からだの為にぜひ取り入れたい栄養が豊富に含まれているからです。
他のお肉と同様にタンパク質が豊富なことはもちろんですが、それ以外にも馬肉は体に良い栄養がいっぱいあるのでこの機会にぜひ知ってほしいです!!
馬肉のヘルシーパワー

ほかのお肉と比べて馬肉に多く含まれている栄養は
などがあります。
どれも体にとって良い成分なのですが、その中でも注目したい栄養があります。
それが次の2つです。
まず「α-リノレン酸」とは、最近注目されている「オメガ3系脂肪酸」の1つです。
「オメガ3系脂肪酸」は、体の組織が正常にはたらく為に欠かすことのできない必須脂肪酸と呼ばれるものですが、じつは体内でつくることができない成分なので食品から取り入れるしかありません。
そんな「オメガ3系脂肪酸」の一種である「α-リノレン酸」は、取り入れると次のようないい影響がたくさんあるといわれています。
これだけでも、α-リノレン酸が非常に優秀な成分であるとわかってもらえるかと思います。
つづいて「ヘム鉄」とは、その名のとおり鉄なのですがただの鉄ではありません!
「ヘム鉄」は、体内への吸収率が非常に高い鉄分で、馬肉にはそれが非常に多く含まれています。
緑黄色野菜にも鉄分は多く含まれていますが、その鉄分の多くは体内に吸収されにくい「非ヘム鉄」と呼ばれるものなので効率がよくありません。
ここでもう一つお伝えしたいのが、そんな「非ヘム鉄」も馬肉と一緒に食べれば吸収率が高くなるということです。
「非ヘム鉄」は、動物性タンパク質と一緒に摂取すると吸収率があがることがわかっています。
つまり、馬肉は鉄分を摂取するうえで非常に有効な食材で、貧血の予防や治療には最適です!
このように、馬肉にはぜひ体に取り入れたい成分が豊富に含まれているのです。

馬肉の部位

😅「いざ馬肉を買おうと思っても、部位の名前がわからないと…。」
という人の為に、部位の名前一覧をご用意したので参考にしてください!!
地域やお店によっても分け方や呼び方がいろいろなので、網羅しきれていないのですが参考になれば嬉しいです。
まとめ:馬肉は高タンパク低カロリーで生食できる数少ないお肉
今回は、馬肉の特徴やそのヘルシーパワーについて解説してきました。
馬肉は肉用の家畜として改良された動物ではありませんが、独特の甘みと旨味をもった非常においしいお肉です。
またおいしいだけでなく、高タンパク低カロリーなことに加えα-リノレン酸やヘム鉄など体にぜひ取り入れたい栄養がたくさん含まれているのも魅力です。
そして、馬肉の最大の特徴である「馬刺し」として生食できる理由についてもわかってもらえたかと思います。
・罪悪感の少ないお肉が食べたい
・生でお肉を食べてみたい
そんな人に馬肉はとてもおすすめです!!
この機会にぜひ、馬肉を食べてみてはいかがでしょうか?
購入や実食の際は、生食用か加熱用かしっかり確認をしてくださいね!!