
豚の小間切れ肉はよく食べるんだけど、部位を気にしたことなかったかも。
豚肉にはどんな部位があるのかな?
それから、内臓も食べれるらしいけどどうやって食べたらいいんだろう?
「豚肉が好き!」という人、多いと思います。
さまざまな調理方法に適しているので、食卓には欠かせないお肉といっても過言ではありません。
サラダチキンが流行りだす前、日本の食肉消費量の第1位は豚肉でした!(現在は鶏肉が1位です。)
それくらい昔から日本人は豚肉が大好きです。
でも、みなさんは部位を気にして豚肉を食べていますか?
そもそもどんな部位があってどんな特徴があるのか知っていますか?
この記事では
これらについて解説していきます。
ロースやバラ肉という有名な部位以外にも、豚肉にはいくつも部位があってそれぞれに特徴があるんです!
それから食べられる内臓もたくさんあるんですよ。
内臓については、下処理のポイントや向いている料理なども簡単に紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
豚肉の部位一覧
一般的に小売店などで手に入る豚肉の部位一覧です。
<豚肉の6部位>
<豚の内臓10部位>
ロース
肩ロース
肩
バラ
もも
ヒレ
タン
ハツ
レバー
ガツ
マメ
ヒモ
ダイチョウ
コブクロ
トンソク
カシラ(ツラミ)
聞いたことがある名前もあれば、全く知らない名前もあるかと思います。
とくに内臓の部位の名前を全部知っている人は、ほとんどいないと思います。
さまざまな部分が食用にされる豚肉ですが、それぞれの特徴や向いている調理方法を知ることでよりおいしく食べることができるようになりますよ!
豚肉の6部位

さきほど紹介したように、豚肉の部位は次の6つが一般的です。
名前はよく知っていても、部位ごとの特徴を知っていたり使い分けができていたりする人は結構少ないんじゃないでしょうか。
この機会に、部位の特徴を覚えて日々の料理にぜひ活かしてみてください!
ロース肉

ロース肉は豚の背中から腰に掛けてあるお肉で、豚肉の中で最も肉質のいい部位です。
肉のキメが細かくやわらかで、香りや旨味のあるおいしい背脂があるのが特徴です。
この肉と脂の品質の良さから、ヒレ肉に並ぶ上級部位と言われています。
このロース肉ですが、じつはある特徴によって2種類に分けられることをご存じですか?
また、この2種類は味にも違いがあるんですが、どう違うのか知っていますか?
これについては別の記事で詳しく解説しているので、こちらをぜひ読んでみてください!
合わせて読みたい
【豚肉の部位解説】ロース肉とは?最上級の赤身と脂が1つの部位に!
この記事では
・より良いロース肉の選び方
・ロース肉を使ったおすすめレシピ
についても紹介しています。
ちなみに、ロース肉は肉質がよく脂もおいしいので「肉が主役になれる料理」に向いています。
例をあげると
といった料理がおすすめです。
ここで先ほどの「2種類のロース」を知っていると、それぞれの料理に向いているロース肉というのを選んで使い分けることができます。
気になる方は、ぜひ先ほど紹介した記事も読んでみてください!
肩ロース肉

肩ロースは豚の肩から背中部分にあるお肉で、肩肉とロース肉に挟まれている部位です。
コクと旨味のある赤身肉と質のいい脂を味わえるのが特徴のちょっと贅沢なお肉。
ただ、ほどほどに運動する部位なので赤身部分はやわらかくはありませんが、適度な弾力があります。
ところで、「肩ロース肉」と「ロース肉」は何が違うのか知っていますか?
どちらも”ロース肉”と付いているのに、わざわざ区別するのにはちゃんと理由があるんです!
肩ロースとロース肉の違いについては、別の記事で詳しく解説しているのでこちらを参考にしてください。
合わせて読みたい
【豚肉の部位解説】肩ロースとは?いいとこ取りの万能部位!
この記事では
・よい肩ロース肉の選び方
・くわしい肩ロース肉解説
・おすすめのレシピ
についても紹介しています。
ちなみに、肩ロースは赤身と脂を兼ね備えているので幅広い料理に使うことができます。
ですがせっかくなら、赤身の濃い味わいと脂の旨味を活かせる料理にするのがおすすめです!
例をあげると
など、しっかり味をつける料理がいいですね。
パンチのある調味料の味に負けない、肩ロースならではの豚肉の旨味を感じることができますよ。
肩肉
肩肉は豚の肩から脚の付け根あたりのお肉で、よく運動する部位なので赤身で肉のキメが粗いのが特徴です。
キメが粗いので肉質は固いですが、そのぶん肩ロース以上に濃い旨味成分をたくわえている部分でもあります。
筋やリンパの残りが多く、整形に手間がかかるので単体で商品化してるものをスーパーで見かけることは少ないかもしれません。
そんな肩肉ですが、女性必見(男性も)のある成分が豊富に含まれていることをご存じでしょうか?
ある成分というのは、肌や軟骨に大切な成分なのですが・・・。
それについてはこちらの記事で紹介しているので、答えが知りたい方はチェックしてみてください!
合わせて読みたい
【豚肉の部位解説】豚肩肉とは?コラーゲンと旨味の爆弾!
この記事では
・よい肩肉の選び方
・スーパーなどでの肩肉の使われ方
・おすすめのレシピ
についても紹介しています。
ちなみに、肩肉は固めのお肉ですがうま味成分が豊富に含まれているので、肉の味はどの部位よりも濃いです!
なので、肉の固さを軽減することができる料理にするのがおすすめです。
例をあげると
など、長時間煮込む料理が向いています。
筋などもほどけて、焼くのとは違ったトロトロの食感を味わうことができますよ。
バラ肉

バラ肉はろっ骨周りにあるお腹のお肉で、赤身のあいだに厚い脂の層があるのが特徴です。
かなりなじみのある部位なので、知らない人は少ないかと思います。
やわらかい印象があるかもしれませんが、じつは赤身の肉質はキメが粗く固めです。
なぜなら、呼吸をするときに常に動かしている筋肉だからです。
やわらかく感じるのは、赤身の間にある脂のおかげなんです!
ところで、どうしてバラ肉は脂が多いのか知っていますか?
バラ肉に脂がつく理由については、別の記事で解説しているので読んでみてください!
合わせて読みたい
【豚肉の部位解説】バラ肉とは?料理次第でおいしさが台無しに!
この記事では
・バラ肉とスペアリブの違い
・バラ肉の正しい切り方
・よいバラ肉の選び方
などについても紹介しています。
ちなみに、バラ肉は焼肉などのイメージが強いですが、意外と赤身の固さが気になることがあります。
そこでおすすめなのが、煮込み料理です。
例をあげると
などに向いています。
脂身はもちろん、固い赤身までトロトロになるので飲むように食べることができます。
先ほど紹介した記事に、角煮のレシピも載せているのでぜひ参考にしてください。
もも肉

もも肉はお尻から後ろ足の付け根にあるお肉で、豚肉の中でも特に大きな部位です。
よく動かす部位ということもあり脂肪が少ない赤身肉で、肉質も固めです。
ただ、カロリーが少なく栄養豊富なので、健康志向の人にはぜひ食べてほしいお肉です。
特に栄養成分で注目してほしいのが、ビタミンB群です。
もも肉は疲労回復や美肌効果のあるビタミンB群がとても豊富に含まれているのです。
そのもも肉ですが、3つの部位に分けられることを知っていますか?
また、その部位ごとに肉質が違っているのをご存じでしょうか?
豚もも肉からとれる「3つの部位」については、次の記事で紹介しているのでぜひ知っておいてください。
合わせて読みたい
【豚肉の部位解説】豚もも肉とは?安くてヘルシーな優秀部位
これを知っていれば、料理によってもも肉を使い分けることができ、よりおいしく調理できるようになるはずです!
この記事では
・よいもも肉の選び方
・もも肉を柔らかくする方法
についても紹介しています。
もも肉を調理するときは、しっとり感を逃さないようにすることが大切です。
ただでさえ脂の少ない部位なので、赤身に含まれている水分を逃さないように工夫しましょう。
料理の例をあげると
などがおすすめです。
もも肉の表面を何かで包んだり焼き付けたりすることで、水分の流出を防いでしっとり仕上げることができます。
また、油との相性がいいので揚げ物にももってこいです。
ヒレ肉

ヒレ肉はロースの内側(腹側)についている細長いお肉で、豚肉の中でもとれる量が少ない希少な部位です。
その肉質はきめ細かくやわらかで、脂肪がほとんどないのでヘルシーなお肉です。
そのやわらかさは火を通しても失われないので、トンカツ屋さんでは非常に人気の部位です。
また、栄養面で見ても非常に優秀で、特にビタミンB1を豚肉の部位の中で1番多く含んでいるのがヒレ肉です。
ビタミンB1は疲労回復や糖質の代謝を促進する効果があり、これに加えて鉄分やタンパク質も豊富なので筋肉をつけたい人にはぜひ食べてほしいお肉です。
ところで、なぜヒレ肉がやわらかいのか知っていますか?
それには2つの明確な理由があります。
ヒレ肉がやわらかい2つの理由については、別の記事で解説しているので読んでみてください!
合わせて読みたい
【豚肉の部位解説】豚ヒレ肉とは?厚切りでもやわらかあっさり!
この記事では
・よいヒレ肉の選び方
・おすすめのレシピ
も紹介しています。
ヒレ肉を調理するときは、蒸す・煮る以外の調理方法が向いています。
先ほど解説したようにヒレ肉には脂がほとんどないので、蒸したり煮たりするとパサついた食感になってしまいます。
これだと、せっかくのヒレ肉のやわらかさを味わうことができません。
ヒレ肉のやわらかさを感じるなら
などがおすすめです。
できるだけカロリーを控えるのであれば、油の使用量が少ないソテーがいいですね。
豚の内臓10部位
ここからは豚の内臓の部位を解説していきます。
いわゆる豚ホルモンですね!
この記事で紹介する豚ホルモンは、次の10部位です。
けっこう種類があるんですが、どれくらい知っていますが?
知っていて興味はあるけど、どんなものか想像ができなくて手が出せないという人もいると思います。
この記事でどんなものか知ることで、皆さんの豚ホルモンへのハードルが下がればいいなと思います!
タン
タンは豚の「舌」です。
固めの弾力のある歯ごたえが特徴的な豚ホルモンで、舌先に近いほど食感が固くなり根元に近いほど脂肪が多くやわらか肉質となっています。
また、ビタミンA・ビタミンB2・鉄分・タウリンを豊富に含んでる部位です。
「ビタミンA」は風邪や疲れ目予防に
「ビタミンB2」は脂質代謝や肌荒れ予防に
「鉄分」は貧血予防に
「タウリン」は血圧を下げたり肝臓の能力強化に効果があります。
自宅で料理する場合は
にするのがおすすめです。
調理のポイントは皮を取り除くことです。皮を取り除いてから、薄く切って焼いたり丸ごと煮込んだりするとおいしく食べることができますよ。
ハツ
ハツは豚の「心臓」です。
繊維のキメが細かくち密で、固くはないけど独特の弾力と歯ざわりがあり他にはない食感を持った部位です。
また、ビタミンB1・ビタミンB2・鉄分が多く含まれています。
「ビタミンB1」は疲労回復や糖質の代謝促進効果が
「ビタミンB2」は脂質代謝や肌荒れ予防効果が
「鉄分」は貧血予防効果があります。
自宅で料理する場合は
がおすすめです。
調理のポイントとしては、まず冷水でしっかり血抜きをすることです。それから、繊維を断ち切るように薄めに切るとおいしく食べることができます。
レバー
レバーは豚の「肝臓」です。これは知ってる人も多いですかね。
弾力がありつつクリーミーな独特の食感のあるホルモンで、高タンパク・低カロリーなのが特徴です。
また、ビタミンAが非常に多く含まれていて、そのほかにビタミンB1・ビタミンB2・鉄分も多く含まれています。
「ビタミンA」は風邪や疲れ目予防効果が
「ビタミンB1」は疲労回復や糖質の代謝促進効果が
「ビタミンB2」は脂質代謝や肌荒れ予防効果が
「鉄分」は貧血予防効果があります。
自宅で料理するときは
がおすすめです。
調理のポイントは、まず冷水でしっかり血抜きをしっかりすることです。それから、食べやすい大きさに切って調理すると臭みなくおいしく食べることができます。
ガツ
ガツは豚の「胃」です。
食感は固めで弾力があって「鶏の砂肝に似ている」とも言われます。味はクセや臭みがなくあっさりしていて非常に食べやすいです。
一般的にはゆでられたものが売られていて、調理もしやすいです。
自宅で食べる時は
などがおすすめです。
すでに茹でてあるガツは、そのまま煮込み料理にしてOKです。
茹でてあるものでも、酢の物やガツ刺しにする場合は沸騰したお湯で1度湯がいて冷ましてから使うと、臭みや食中毒の心配がありません。
生のガツを調理するときのポイントは、塩を振ってもんで洗うことです。これで臭みや汚れなどを落とすのが大事です。
それから、香味野菜(ネギやショウガ)をいれたお湯でゆでることで料理に使うことができます。
マメ
マメは豚の「腎臓」です。食べたことがある人はなかなかいないと思います。
名前の由来は、形が豆に似ていることからだと言われています。
レバーのような食感ですが、その味わいはレバーよりもクセが少ないので「こちらの方が食べやすい」という人も多いです。
自宅で食べる時は
にするのがおすすめです。
調理のポイントは、脂肪や尿管をしっかり取り除くことです。
豚マメの表面や内側には、白っぽい筋や塊があります。これらが脂肪や尿管で、残したまま調理してしまうと臭みの原因になってしまいます。
包丁を使って白い部分を取り除いてから、酒に15分ほど浸して臭みをとることでおいしく食べることができます。
ヒモ
ヒモは豚の「小腸」です。最近ではスーパーで売られていることも珍しくなく、解凍品の豚モツとして陳列されています。
一般的に売られているヒモは、小さく切られて軽く茹でて脂肪を除いたものがほとんどです。
色は灰色っぽくて、正直おいしそうには見えないかもしれません・・・。
ですが、これがあのモツ煮によく入っているぷにぷにとした独特な弾力のあるお肉の正体なのです!
自宅で調理するのであれば
がおすすめです。
やはりモツ煮は外せませんね。
調理のポイントは、すでに下茹でしてあるものでも更にもう1度ゆでてアクや臭みを取り除くことです。
こうすることで、よりおいしいモツ煮やモツ焼きを作ることができます。
ダイチョウ
ダイチョウはその名の通り豚の「大腸」です。
見た目はヒモによく似ていて、違いとしてはヒモよりも大きく脂が多いことです。
神奈川県には、このダイチョウを使った有名なB級グルメがあります。
それが「厚木シロコロホルモン」!!
ぶつ切りにしたダイチョウが、加熱することでコロコロとした形になることからそう呼ばれるようになったそうです。
たっぷりの脂がしたたる様子は垂涎もので、ご飯が何杯あっても足りません・・・。
一般的には、ぶつ切りにして茹でられたものが売られていることが多いです。
これを自宅で食べる時は
と、ヒモと同じように調理するのがおすすめです。
調理のポイントもヒモと同じで、下茹でしてあるものをもう一度茹でてアクや臭みを取り除くことが大切です。
このひと手間をかけることで、料理のおいしさが変わってきますよ。
コブクロ
コブクロは豚の「子宮」のことです。
味は淡白でクセがなく、食感はやわらかい中にも弾力が感じられコリコリとした独特の食感があります。
また、ヒモやダイチョウと違って脂肪が少なく低カロリーなところも特徴です。
あまり見かけることはないかもしれませんが、低カロリーで高たんぱくなのでダイエット中の焼肉にいいかもしれません。
自宅で食べる場合には
などがおすすめです。
生のコブクロを調理するときのポイントは、水にさらしてよく揉み洗いすることです。
これで臭みやぬめりなどを落としてから調理しましょう。
もし、洗っても独特のにおいが気になる場合は、塩を揉みこんで流水にさらすことでにおいをとることができますよ!
トンソク
トンソクは、豚足という名のとおり豚の「足」です。
骨と爪は食べられませんが、皮・肉・筋・軟骨部分が可食部となっています。
タンパク質が豊富で、特にコラーゲンが豊富です。なので、長時間煮込むとコラーゲンがゼラチン化してトロトロに柔らかくなります!
自宅で調理する場合は
がおすすめです。
トンソクを煮ることで、骨や皮からのうま味がスープに染み出し一緒に煮ている野菜やスープ自体がおいしくなります。
また、トンソクのジューシーでトロっとした食感も味わうことができます。
もし煮込みには飽きてしまったということであったら、焼き豚足もおすすめです!
外の皮はカリカリになり、コラーゲンたっぷりのお肉部分はトロトロジューシーな食感になって一味違ったトンソクを味わえます。
生のトンソクを調理するときは、縦2つに割って汚れをよく洗い落として血抜きをしっかりすることが大切なポイントです。
カシラ(ツラミ)
カシラは、豚の「こめかみ~ほほの肉」です。ツラミや頭肉と呼ぶこともあります。
焼き鳥屋さんで食べたことがある人もいるかと思いますが、実は豚肉です。
すこし匂いがありますが、適度な歯ごたえがあり味もよく噛むほどに旨味が感じられる部位となっています。
以前勤めていたお店では、並べればすぐに売れる隠れた人気部位でした。
自宅で食べる場合は
がおすすめです。
うま味のある部分なので、シンプルな調理方法で十分おいしく食べることができます。
調理のポイントとしては、骨の残りや噛み切りにくい筋を包丁の先を使って丁寧に取り除くことです。
カシラは結構骨の残りや筋がついているので、ついたまま調理してしまうと非常に食べずらくなってしまいます。
これをしっかりと取り除くことで、不快感を感じずたべられます!
まとめ:豚は肉もホルモンもおいしい部位がたくさん!
今回は、豚肉の部位6つと内臓10部位について解説してきました。
よく食べる豚肉ですが、じつは部位がたくさんあってそれぞれに色々な特徴があることを知ってもらえたと思います。
「どう料理したらいいかわかんないから、ふだんは豚小間しか食べない!」という人でも向いている調理方法を知ることで、部位別に買うハードルが少しでも下がっていたらうれしいです。
また、普段はなかなか手が出せない豚ホルモンも、下処理さえ間違えなければ自宅でもおいしく食べることができます!
この記事でみなさんの豚肉料理のレパートリーが広がることを祈っています!!