
急に会社が倒産してしまった!!!!!
こんなの聞いてないよ…。
失業手当って3か月の待機期間があるっていうし、申請するより就活したほうがいいか…。
突然の倒産や解雇によって、離職に追い込まれる場合もあるでしょう。
その場合「特定受給資格者」として扱われるため、3か月の待機期間なく失業手当を受け取ることができます。
ただし、突然退職することになったという事実を証明できる書類が必要です!
では、その書類とはいったい何を用意すればいいのでしょうか?
この記事では
・特定受給資格者とは
・特定受給資格者と判断される書類
これらについて解説していきます。
失業手当の申請方法についてはこちらの記事でまとめています。
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特定受給資格者とは?

特定理由離職者とは簡単にいえば、倒産や突然の解雇によって再就職の準備ができないまま離職しなくてはいけなくなった人をさします。
倒産や事業所の廃止、退職勧告をされた、などなど、いわゆる会社都合による雇止めの状況になった場合に適用されます。
「特定受給資格者」として認められると、3か月の待機期間がなく手当を受け取れたり、人によっては給付日数が増えたりします。
給付日数が何日増えるかは、年齢や雇用保険に加入していた期間などによって変わります。
「特定受給資格者」必要な書類は?

特定受給資格者として認定されるには、会社都合で退職せざるを得なかったことを証明する書類が必要です。
まず、特定受給資格者として認められる退職理由は次のようになってます。
①倒産、事業所が廃止になった
②事業所が移転し通勤が困難になった
③解雇された(懲戒解雇を除く)
④労働契約締結時の労働条件と事実が著しく違っていた
⑤賃金の支払が2ヵ月以上遅れた
⑥賃金が85%未満に低下した
⑦月45時間を超える時間外労働を3ヶ月以上させられた
⑧有期労働契約が3年以上更新されて雇い止めされた(契約更新されなかった)
⑨セクハラ、パワハラを受けた
⑩退職勧奨をされて応じた
⑪休業が3ヶ月以上続いた
⑫法令違反があった
そして、離職理由ごとに必要な書類が違うので具体的に確認していきましょう。
倒産、事業所が廃止になった
この場合は、事業が停止してしまったことを証明できる書類が必要です。
・裁判所において倒産手続の申立てを受理したことを証明する書類
・業務停止命令の事実が分かる資料
・解散の議決が行われた議事録
事業所が移転し通勤が困難になった
この場合は、事業所の移転先と本人が本当に通勤困難になるかどうかが分かる書類が必要です。
・事業所移転の通知
・事業所の移転先が分かる資料と離職者本人の通勤経路に関わる時刻表
解雇された
この場合は、解雇されたことが分かる書類が必要です。
ただし、自身の責任による大きな過失が原因で解雇された場合は適用されません。
・解雇予告通知書
・退職証明書
・就業規則など
労働契約締結時の労働条件と事実が著しく相違していた
この場合は、契約時の労働条件がわかる書類や契約書などが必要です。
ただし、就職後 1 年経過するまでの間に離職した場合に限ります。
・採用条件及び労働条件が分かる労働契約書や就業規則
・労働協約による変更は労使が合意した書面
・就業規則による変更は労働組合等の意見を聴取した事実が分かる資料など
・採用時の労働契約書
・職種転換、配置転換の辞令
賃金の支払が2ヶ月以上遅れた
この場合は、実際の賃金が分かるものや振り込み日が分かる書類が必要です。
・労働契約書
・就業規則
・賃金規定
・賃金台帳
・給与明細書
・口座振込日が分かる預金通帳など
賃金が85%未満に低下した
この場合は、以前と現在の賃金が分かる書類や労働契約書などが必要です。
ただし、賃金が変動するような労働契約の場合や、懲戒や疾病による欠勤がある場合、60歳以上の定年退職に伴い賃金が低下した場合などは、これに該当しません。
・労働契約書
・就業規則
・賃金規定
・賃金低下に関する通知書
月45時間を超える時間外労働を3ヶ月以上させられた
この場合は、実労働時間がわかる書類などが必要です。
またこの離職理由は、危険や健康障害生じるおそれがあることを行政機関から指摘されたにも関わらず、事業所や事業主が指摘された危険や健康障害を防止するために必要な措置を行わなかったことにより離職した人も当てはまります。
・タイムカード
・賃金台帳
・給与明細書
有期労働契約が3年以上更新されて雇い止めされた
契約更新を希望したのにもかかわらず雇止めになった場合は、その労働契約が分かる書類や更新の通知書などが必要です。
ただし、契約更新の上限が定められている場合など元々定められていた再雇用期限が来たことで離職した場合はこの基準に該当しません。
・労働契約書
・雇入通知書
・就業規則
・契約更新の通知書
・タイムカード
セクハラ、パワハラを受けた
この場合は、特定個人に対する配置換えなど明らかな冷遇がわかる書類などが必要です。
ただし、職務上の失態があった場合などに注意や叱責することは普通にあり得ることなので、そのことだけではこの基準に該当しません。
・特定個人を対象とする配置転換
<以下、給与体系等の変更があった場合>
・配置転換の辞令(写)
・就業規則
・労働契約書
・賃金台帳
退職勧奨をされて応じた
この場合は、退職を直接または間接的に勧奨されたことを証明できる書類が必要です。
ただし、「早期退職優遇制度」などに応募して離職した場合はこの離職理由に該当しません。
・希望退職募集要綱
・離職者の応募事実が分かる資料
休業が3ヶ月以上続いた
この場合は、休業し賃金が支払われていないことなどを証明できる書類が必要です。
ただし、休業手当の支給が終わって通常の賃金が支払われるようになってから離職した場合はこの基準に該当しません。
・賃金台帳
・給与明細書など
法令違反があった
この場合は、事業所が法令に違反したことが分かる資料などが必要です。
またこの離職理由は、事業所の業務が法令違反だという事実を知った後、3か月以内に離職した場合が該当します。
・事業主の業務が法令に違反した事実が分かる資料
まとめ
今回は、特定受給資格者についてと必要な書類について解説してきました。
会社都合で突然雇止めにあってしまったり、事業所の移転などで自宅から職場に通えなくなってしまったり、そんなことになってしまう可能性が誰にでもあります。
そういった場合には証明できる書類があれば、特定受給資格者として認められ待機期間がなくなったり支給期間が延びたりします。
この機会にぜひ知識として押さえておいてください。